園芸の基礎知識

土のpH・酸度調整とは?数字と「調整済み」の意味を知る

執筆:NextMeet編集部 / 公開 / 更新

土の袋に「弱酸性」「酸度調整済み」と書かれていても、それだけで自分の植物に最適とは限りません。pHは何を表す数字か、どのように測った値か、製品が何を調整したのかを分けて確認すると、選ぶ際の手がかりになります。

目次
  1. pHは、酸性・アルカリ性を表す尺度
  2. 数値を比べる前に、測定方法をそろえる
  3. 「酸度調整済み」は、どの製品の何を調整した表示か
  4. 材料名や配合比だけで、混ぜた後のpHは決められない

pHは、酸性・アルカリ性を表す尺度

pHは、水溶液の酸性・アルカリ性を表す尺度です。一般的な説明では7が中性、7より小さい側が酸性、大きい側がアルカリ性です。土のpHも、土に関わる水溶液の性質を測って表します。

pHは単なる割合ではなく、対数の尺度です。1の違いは水素イオンの活量で10倍の違いに相当します。「pHが低いほど肥料が多い」「高いほどよい土」という意味ではありません。米国地質調査所のpH解説

園芸でpHを見る理由の一つは、養分の利用しやすさと関わるためです。ただし、植物ごとに適した条件は異なります。ここでは全植物共通の目標値を置かず、育てる植物の根拠ある説明と照合する指標として扱います。大学の培地管理資料

数値を比べる前に、測定方法をそろえる

土のpHを測る方法には、試料へ水を加えて調べる方法や、鉢から得た抽出液を調べる方法があります。それぞれ決められた採取・測定の操作があります。

家庭で測るなら、使う機器や検査キットの説明に合わせ、試料の取り方、水の種類や量、待ち時間をそろえます。pH計では校正の手順も必要です。鉢から抽出液を採るPourThru法でも、採液の条件・測定前の校正・採液後の測定時期が指定されています。大学資料の測定手順

記録には数値だけでなく、日付、対象の鉢や用土、測定方法を残します。違う方法で得た数字の小さな差だけを見て、土が悪化した、調整が必要だと即断しないことが大切です。予想外の値が出たときは、条件や機器を確かめて測り直すことが先です。

「酸度調整済み」は、どの製品の何を調整した表示か

酸度調整は、用途に合わせてpHを変えることです。ピートモスでは、強い酸性を石灰などで弱める調整が行われます。

例えばピートモスには、酸度を調整した製品と未調整の製品があります。培土メーカーのナガタも、この表示をpHの調整として説明しています。未調整品を調整済み品と同じ材料として選ばないための情報です。メーカーの材料解説

「調整済み」は、その製品についての説明です。別の土や肥料を足した後も同じpHに保たれる保証や、全植物への適合を意味しません。表示にpHの範囲があれば、その製品の用途と合わせて確認します。

材料名や配合比だけで、混ぜた後のpHは決められない

「赤玉土と鹿沼土を混ぜた」という情報だけでは、完成した用土のpHを算出できません。材料の製品差、酸度調整や追加成分、混ぜる量などの情報が不足しているためです。材料ごとのpHを単純に平均する考え方も、そのまま混合用土の予測には使えません。

調整したい場合は、まず対象植物と現在の用土の状態を整理します。石灰などを「念のため」に一律量加えるのではなく、測定結果と使用資材の説明に対応する調整を検討します。必要量まで判断できない場合は、用土名・配合・測定方法を添えて販売元や専門窓口へ相談すると、数字だけの質問より状況が伝わります。

pHは土選びの一項目です。水の通り方、肥料の有無、対象植物などと一緒に確認し、数字だけで土全体の良し悪しを決めないようにしましょう。

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