植物の緑、赤、紫、白、銀色は、色素だけで決まるとは限りません。細胞や組織の構造、表面の毛や蝋、光の反射も見え方に関係します。斑や模様を観察するときは、どの部分で、いつ、どのように現れるかを見ます。
この章で学ぶこと
- 植物の色に関わる主な要素
- 斑入りに複数の成り立ちがあること
- 色の変化と健康状態を区別して観察する方法
緑以外の色素も働いている
葉の緑は主にクロロフィルによります。黄から橙色に見える色素、赤や紫に見える色素なども植物体に存在し、光環境、季節、成熟、ストレスなどによって見え方が変わります。
新葉が赤く、成熟すると緑になる植物や、低温期に色が濃くなる植物もあります。色は固定された特徴ではなく、時間と環境によって変化します。
表面構造も色をつくる
白い毛、粉状の蝋、細胞内の空気を含む構造などは、光を散乱・反射して白や銀色に見せます。角度によって輝きや色が変わる場合は、色素だけでなく表面や内部構造が関係している可能性があります。
表面の粉や毛は、一度こすると元に戻りにくいことがあります。鑑賞と観察のためにも、不必要に触れないようにします。
斑入りは一つの現象ではない
葉の一部が白、黄、淡緑などになる斑入りには、クロロフィルの形成が少ない組織、表皮や内部構造による反射、遺伝的な模様など、異なる仕組みがあります。
成長点に異なる性質の細胞層が共存する斑では、成長や繁殖方法によって模様の割合が変わることがあります。すべて白い部分は光合成能力が低い場合があり、斑の多さと株の成長しやすさは必ずしも両立しません。
模様と傷みを区別する
規則的に繰り返す模様、左右や葉位で一定する模様は、その植物本来の特徴である可能性があります。一方、急に現れた退色、褐変、点状の傷は、光、害虫、病気、栄養状態などに関係する場合があります。
新旧の葉で同じ位置に現れるか、時間とともに広がるか、葉裏にも変化があるかを記録します。色名だけでなく、境界の形と変化の速度を見ることが重要です。
観察してみよう
色や模様に特徴のある葉を、表と裏、透過光と反射光で観察します。境界が直線的か不規則か、葉脈と対応するか、新旧の葉で同じかを記録してください。
この章のまとめ
- 植物の色には、色素、組織構造、表面の毛や蝋が関係する
- 色は成長段階、季節、環境によって変化する
- 斑入りには複数の仕組みがあり、成長との均衡も必要である
- 模様と傷みは、位置、規則性、時間変化を見て区別する