園芸の基礎知識
元肥・追肥・液肥・緩効性の違いは?肥料を選ぶときに確認したいこと
執筆:NextMeet編集部 / 公開 / 更新
「追肥に液肥を使う」「元肥には緩効性」といった説明には、別々の分類が一緒に登場します。時期、形、効き方、成分を分けると、袋やボトルで何を確認すればよいかが分かります。
元肥・追肥は、いつ与えるかの言葉
元肥(もとごえ)は、植え付けに先立って用土に施すなど、栽培の初期に用意する肥料です。追肥(ついひ・おいごえ)は、生育の途中で養分を補うために与える肥料です。メーカーの元肥・追肥解説
元肥と追肥は、必ず別の商品を買うという意味ではありません。同じ製品について、元肥と追肥の両方の用途が説明されていることもあります。今どちらに使いたいのかを決め、その用途に対応する使い方を読みます。
液体・固形は形、速効性・緩効性は効き方
液肥は液体の肥料、粒状などの固形肥料は形の区分です。一方、速効性・緩効性は、効き方についての区分です。「液体か固形か」だけから、使う時期や効く期間のすべては決まりません。
例えば、ハイポネックス原液は、水で薄めて使う液体で、メーカーは早く効くと説明しています。マグァンプK中粒は粒状で、植え付け時に混ぜ、ゆっくり長く効く製品として説明されています。これは2製品の例であり、液肥・粒状肥料のすべてを代表する規則ではありません。液体製品の仕様、粒状製品の仕様
肥効期間の「○か月」も、製品の試験・使用条件と合わせて読みます。温度、粒のサイズ、土へ混ぜるか表面へ置くかなど、どの条件での表示かを確認してください。例えば被覆肥料のネクスコートプロ3か月タイプは、地温21℃を基準に3か月、10℃では5か月、30℃では2か月と説明されています。メーカーの温度条件
一方、マグァンプⅡ MSは、土壌水分や温度の影響を受けにくく、置肥では土へ混合する場合より成分の溶け出しが緩やかになると説明されています。緩効性という同じ呼び方でも、すべてが同じ仕組み・条件で効くとは考えません。ここで挙げた2製品は業務用で、表示条件の違いを知る例です。家庭向けの購入推奨ではありません。施肥量や時期は、育てる植物と使用する製品の説明を優先します。メーカーの粒径・使い方の説明
濃縮液を薄める製品と、そのまま使う液体も区別します。固形も、土へ混ぜ込むものか、表面に置くものかを確認しましょう。形が似ていることは、同じ使い方の根拠にはなりません。
N・P・Kの数字は、使用量の指示ではない
肥料で見るN・P・Kは、窒素・リン酸・カリを示す記号です。製品の成分欄には、窒素全量、水溶性リン酸など、詳しい成分名や含有率が示されます。保証成分の表示方法は公的な手引きでも定められています。農林水産省掲載「肥料の表示の手引き」
表側の3つの数字を、鉢へ入れるグラム数や水へ薄める倍率と取り違えないでください。どれだけ使うかは別の使用量欄です。また、NPKはすべての成分を表すものではなく、苦土などを別に示す製品もあります。
数字の大小だけで「こちらが優秀」とも決めません。対象植物、使う目的、成分の形、使用方法が違うためです。
肥料と活力剤は、似たボトルでも用途を分ける
「活力剤」「活力液」という名前だけでは、肥料の代わりになるかは分かりません。例えばメーカーは、リキダスを肥料ではない活力液と説明し、肥料とは別に与えるよう案内しています。これは当該製品の説明であり、名称が似た全製品の法的な区分を一括して決めるものではありません。メーカーの製品説明
肥料には法律に基づく表示制度がありますが、元肥・追肥、液体・固形という園芸上の呼び分けとは別です。商品の用途説明と、肥料としての成分・表示を、それぞれ確認します。農林水産省の肥料制度案内
購入前には「元肥か追肥か」「混ぜる・置く・薄めるのどれか」「対象植物と使用量」の順に確認すると、商品名の印象に頼らず選べます。すでに土へ入っている肥料や、直前に与えた製品も控えておくと、重ねて使ってよいかを相談しやすくなります。