園芸の基礎知識
排水性・保水性・通気性とは?鉢の土を選ぶときの見方
執筆:NextMeet編集部 / 公開 / 更新
「水はけがよく、水もちもよい土」と聞くと、反対の性質を並べているように感じるかもしれません。水を外へ出すことと、水を中に保つことは別の働きです。鉢の土は、根の周囲に水と空気の両方を確保する必要があります。大学の鉢用土解説
3つの言葉は、見ている働きが違う
排水性は、水の抜けやすさを表す言葉です。保水性は、水を保つ性質。通気性は、空気の通りやすさを指します。
土は粒だけがぎっしり詰まっているわけではなく、粒の間などにすき間があります。その空間には水や空気が入り、土の粒や構造によって保ち方・通り方が変わります。土が水を含むこと自体と、水が抜けずにたまり続けることは区別して考えましょう。大学の土壌解説
このため、「排水性があるなら保水性はない」とは限りません。また、3つの性質のうち一つだけを高めれば、どの植物も育てやすくなるわけでもありません。
「水はけが悪い」と感じたら、土以外も確認する
水やりの後に気になることがあれば、まず見たことを分けて記録します。「土の表面に水が残る」「底から水が出ない」「受け皿に水が残っている」では、確認する場所が異なります。
土を買い直す前に、鉢底に排水穴があるか、穴の外側をふさいでいないか、受け皿や鉢カバーに水が残っていないかを見てください。普通の排水穴付き鉢では、受け皿に出た余分な水を捨てる管理が基本です。貯水槽や給水機構のある鉢は、その製品の説明に従います。一般的な室内鉢の給水解説
強く乾燥したピートモスなどは水をはじき、表面に注いでも根の周囲まで水が届きにくい場合があります。また、乾燥して用土が縮むと鉢との間にすき間ができ、水がその外側を通って底へ抜けることがあります。底からすぐ水が出ても、用土全体が十分に湿ったとは限らない理由です。大学の乾いた用土の解説、大学の鉢と用土のすき間の説明
確認するときは、見える範囲の用土の湿り方、鉢の内側とのすき間、無理なく持てる鉢での水やり前後の重さの変化を組み合わせます。一つの見た目だけで吸水できたと決めず、気になる状態を記録して、植物や用土に合う扱いを確かめましょう。
水が底から出たことだけで、土全体の保水性や通気性まで測れたとは言えません。「よく流れたから中まで乾いたはず」とも考えず、次の水やりは植物と土の状態を確認して判断します。
土を替えたら、水やりも観察し直す
水やりの必要性は、用土、湿度、温度などで変わります。以前の土でうまくいった「毎週同じ曜日」という間隔を、新しい土でもそのまま使えるとは限りません。
無理なく持てる鉢なら水やり前後の重さの違い、確認できる土の湿り具合など、同じ鉢での変化を見ます。何日で乾けば正解、どの植物も完全に乾かす、といった共通の数字やルールにはしません。水の好みや休眠中の管理は、育てている植物に合わせて確かめてください。
売り場で土を比較するときは、まず対象植物と使い方を確認し、そのうえで排水性・保水性・通気性の説明を読みます。3つの言葉を優劣の順位にするより、自分の鉢で何を観察するかにつなげると、管理に役立ちます。